【ネタバレなし】『幻奏喫茶アンシャンテ』は記憶を消して、もう一度プレイしたくなるシナリオが魅力【乙女ゲーム】

2024年1月28日

物語は壮大であるほど、面白いと感じてしまうsay(せい)です。

皆さんは「乙女ゲーム」をご存知でしょうか?プレイしたことありますか?

「乙女ゲーム」とは、女性向け恋愛ゲームの総称で、ノベルゲームからシミュレーションゲームまであります。

「乙女ゲーム」をよく知らない人(昔の私)は、「色んな男性とイチャイチャするゲームでしょ?」と思いがちですが、実はそんな単純なゲームではありません。

恋愛があるのは確かですが、それ以上に感動するシナリオが多い!!とにかくまずはプレイしてみてほしい、そんなジャンルです。

その中でも、私が個人的に「これはすごい!よくできている!」と感動した作品が、オトメイトさんから発売された『幻奏喫茶アンシャンテ』というゲーム。

2024年1月現在では、FD(ファンディスク:続編のゲームを指すことが多い)が発売されておらず、

say(せい)

あんまり話題にならなかったのかな?涙

と若干ショックなのですが、この作品は本当に「素晴らしい!!」のです。

https://www.youtube.com/@IdeaFactoryOFFICIAL より配信

上記の公式PVから見て分かる通り

  • カフェをモチーフにした和やかなHP
  • ポップテイストな音楽とPV

これらの印象から「明るそう」「ワイワイ系」と思われがちですが、

それ、全て裏切ります!!(いい意味で!)

ちょっと気になってきませんか?(気になって欲しい!)

では、実際にプレイした私から見た『幻奏喫茶アンシャンテ』の魅力についてお伝えしたいと思います。

一応大きなネタバレ(真相とか)を避けるつもりではいますが、一部作品の内容に触れた感想を述べる場合があります

この記事の執筆者
say(せい)

20代女性で、ピンクをこよなく愛する女性。物語の創作が好きで、オリジナル漫画や小説を作成している。

『幻奏喫茶アンシャンテ』とは

『幻奏喫茶アンシャンテ(以下、アンシャンテ)』とは、2019年にオトメイトさんから発売された乙女ゲームです。

主人公が、亡くなった祖父の喫茶店を引き継ぐと、そこの常連さんはまさかの異世界からきた人外だった(しかもみんな、各世界で最強の!)という、衝撃的な展開から始まります。

say(せい)

異世界や人外、最強キャラというジャンルは、ここ何年間の流行りに乗っている感じもある

喫茶店の一人前のオーナーになるために、一生懸命頑張る主人公と、彼女を支える常連さん。ですが、この常連さんはただの人外ではなく、それぞれ壮絶な運命を抱えているのです。

彼らの真相に近づくことで、祖父が守り続けた喫茶店の存在意義や、彼らの心に触れていくことが出来ます。

ここがすごい!!

他にも好きでおすすめしたい乙女ゲームはいくつかありますが、その中でも「とにかくやってほしい」と思うのは、迷わずアンシャンテです。

では、何がそこまでおすすめなのか説明します。

見事な伏線回収と無駄のないキャラ

今回のゲームでは「攻略制限」といって、攻略できる順番が決まっています。

このように順番が決まっているということは、制限がかかっている(条件を満たさないと、攻略できない。今回で言うと「ミシェル」というキャラが当てはまります)わけですから、彼が真相を握っていることは間違いなさそう・・・

「じゃあ、彼だけやれば物語はわかってしまうのでは?」

と思われそうですが、本作はそんなことはありません。

もちろん彼を攻略することで、本作の真相が明らかになることは事実ですが、他のキャラを攻略することで

「あれってもしかして、これのこと?」「待って!さっきこういう風に言ってたけど、これって!!」

というような伏線を回収することができます

これがとにかくすごい!気づいた瞬間、鳥肌が止まりませんでした。

またゲームに登場するキャラの中には、「この人って必要?」「この設定っているのか?」と思う人がいたりすることありますが、この作品、そのようなキャラはほとんどいません!

びっくりするくらい、どのキャラも物語に関わってきるので、一見関係なさそうなキャラが、実は重要な鍵を握っていたりします(あまりいうと、ネタバレや推測でバレそうなので、多くは語りませんが・・・)。

say(せい)

個人的には、あるキャラに大変驚きを隠せなかったです!

人外と恋愛をするということ

「人外と恋愛をする」とはどういう意味なのでしょうか?

私はこの作品に出会うまで、そのことに真剣に向き合ったことがありませんでした(人外の恋愛は個人的には好きなジャンルではあったはずなのに!)。

「ただ人間ではない」「人とは違う」

ということが、どれだけの壁を生むのか・・・考えたことはありますか?

そんな人間と人外が共に生きていくことが、どれだけ難しいことなのか、理解し合うことが難しいのか、それをとても感じさせる作品でした。

正直ここまで真剣に作らなくても、ファンタジーなんだからいいのでは?と思った時もありましたが、この作品はそこに向き合うことで、「人外と人間が共に生きていく」本当の意味を伝えたいのかなと感じました。

仲間との絆が強い

アンシャンテの攻略キャラの1番の魅力は「仲間意識の強さ」だと思います。

他の作品では、攻略対象が敵対する組織だったり、ライバル同士だったりと、全員が全員仲が良いわけではありませんよね。

ただこの作品は、「攻略キャラがみんな仲が良い」のです。

全員違う世界の人々であり、それぞれ背負うものがある。ただそれも、主人公の祖父が経営していた(のちに主人公が受け継ぐ)喫茶店に着いたら、それを一旦忘れてみんなでコーヒーを飲む。

多分、みんな何か抱えていることをわかっている(自分自身がそうであるように)から、お互いを心配しあっているのかもしれません。

ゆえに誰かのピンチにはすぐに駆けつけてくれる

say(せい)

しかもみんな最強に強いから、頼もしい!!
「背中は預けた!」みたいな気持ちになりました笑笑

そんな優しい攻略キャラたちですので、大変魅力的です。

よく乙女ゲームにありがちな、「ちょっとやばいやつ(現実にいたらおかしいけど、この界隈ではなぜか人気が高いような)」がいないことも、安心してゲームできる理由になります。
みんな異世界人だけど、常識人!!

こんな人にプレイしてほしい

こんな人におすすめしたい

人外との恋愛が好きな人

そもそも大前提である「人外との恋愛」って、実は苦手な人が多いようです(独自調査に基づくと)。そのため、まずは「人外との恋愛」に興味がある人や、その設定が好きな人に届いて欲しいです。

say(せい)

と言っても、見た目は人間と同じなので、そこまで抵抗はないと思います

困難を一緒に乗り越えていきたい人

乙女ゲームの醍醐味ですが、「相手の悩みや苦しみを分け合って、一緒に乗り越えていく」シーンが、この作品でも重要になっていきます。

主人公はただの人間ですので、すごい力があるわけではなく、時には足手まとい(というか、どうしようもない)になることもあります。それでも、主人公の心やひたむきに向き合おうとする姿勢で、彼らは自分の運命と向き合えるようになっていくのです。

このような「一緒に乗り越えたい」「相手を支えたい」と思える方におすすめです。

とにかく辛い!涙を流したい人

感動すると言っても、色んな種類があります。

本作は「とにかく辛い・切ない」という印象があります。故に、彼らが選ぶ選択も、涙なしでは見ることが出来ないです。

それくらい、一人一人の抱える運命が過酷すぎるのです。

「鬱展開」というものとは違います。本当にただ辛い・重いです。

このようなシナリオを好む方には、大変向いている作品だと思います。

注意すべき点

実際にプレイしたからこそ感じた「ここが気になる」「注意した方がよい」ということもまとめました。

ホラー・グロ描写あり

穏やかなPVに騙されて購入した人には申し訳ないですが、この作品結構、不穏な雰囲気や展開が多めです。

時には、ノイズや突然スクリーンが赤くなったり、文字が羅列したり・・・

シナリオ的に不安になることはもちろんですが、視覚的にも「怖い!!」と思う描写があります。割と人気な乙女ゲームって、そういうこと多いのかもしれませんが、慣れていない人や苦手な人もいると思うので、注意が必要です。

また攻略ルートによっては、グロテスクな描写(あくまで連想させるだけですので、直接的なイラストはないです)がありますので、グロが苦手な人には注意です。

共通ルートが少し長い

共通ルートは物語を理解する上で重要です。

ただ2週目になると、流石に少し長いかな?と感じました。もちろんスキップや早送りはできるので、飛ばして貰えば問題ありません。

UIは可愛いけど、少しわかりにくい

ゲームのメニュー画面は、カフェのメニュー表のようなデザインで可愛い。

ですが、ちょっとタイトルだけじゃあわからないものも多く、クリックしてからわかるなんてこともありました。

ストーリーを進める上で、そこまで重要ではないので、気にならない人は気にならないと思います。

最後に

正直ここに書くだけでは足りないくらい、とても魅力的で感動的な乙女ゲームであるアンシャンテ。

もっと色んな人に広まってほしいと、心から願っています。

「記憶を消して、もう一度感動したいシナリオ」

というキャッチフレーズが、とても似合っていると思います(なお、私は上記で述べたように、ちょっと怖い演出が苦手ですが・・・)。

この記事をきっかけに、一人でも多くの方に興味を持ってくだされば嬉しいです。

最後まで閲覧していただき、ありがとうございます。