【感想】モブせかは原作知らない人も楽しめるのか?原作未読者が全話完走した話
もうそろそろ夏アニメをチェックして、観たいアニメを検討中のsay(せい)です。
2022年春アニメの「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(以下、モブせか)」を全話視聴しました。
以前の記事で、原作知らない私が1話だけ見て「おすすめできるか」まとめたものがあります。
その記事ではかなり辛口な感想を書きましたが、ついに最後まで見終わったので、改めて「モブせかは原作知らない人も楽しめるのか?」について記事にしました。(そのときの記事でも「最後まで見て改めて感想書けたら〜」と言っていたので、有言実行ですね!!)
※一部ネタバレがあります。記事を読む際は注意してください
モブせかとは
「モブせか」とは、三嶋与夢さんが有名小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿した作品であり、現在はライトノベルやコミカライズをされています。
2022年春アニメとして、4/3(日)から放送を開始し、6/19(日)に最終回の12話を迎えました(1クールです)。
アニメ公式サイトはこちらから
全話見終わって印象は変わったのか?
結論から言うと「最後まで見て印象は変わった」と思います。1話だけだとわからない面白さはありました。
主人公の魅力について
まず明らかに印象が変わったのは主人公・リオンです。
1話みた時は「性格が悪く、何がしたいのかよくわからない主人公」と言う印象だったため、正直好きではありませんでした。
しかし全話見終わった後、改めてリオンとはどういうキャラなのか考えたところ、以下のことが当てはまります。
◆ 基本的に性格は悪い(本人自覚あり)
◆ ただ根は良い奴で、(やり方は乱暴だけど)なんだかんだ周りを助けている
◆ 乱暴に振る舞う理由に、鬱憤晴らしだけではなく、「悪い奴は自分だけで良い」と周りの目をわざと自分に向けたりするタイプ
一概に悪い奴ではないんですよね・・・
こういう主人公だから、ターゲット層の男性には刺さる主人公なのかもしれません。
また、なんだかんだでヒロインふたりのピンチには駆けつけちゃうんですよね!自分のピンチにはいつも駆けつけてくれるなんて、そりゃ彼女たちも彼を好きになりますよー(最後のオリヴィアの告白シーンとか、うるっとしたわ)
特に、彼の印象が変わったエピソードが以下のシーンになります。
最大の復讐は「自分が幸せになること」
本編のヒロインのひとりであるアンジェリカ。彼女はユリウスという王子が好きでした。ただ本人には契約結婚であり、そこに愛はないと勘違いされていました。実際に彼は他の女性が好きになり、彼女を振ることになります。
この一連の話が大ごとになるのですが、その騒動が終わった後も、彼女はそれでもなお彼に未練がありました。
「正直復讐したい自分がいる。情けない」
という彼女に向かって、リオンが共感します。ただ周りが考えていた復讐とは違いました。
「最大の復讐は、アンジェリカが幸せになること。それで見返してやろうよ」
簡単にエピソードを書きました。
正直この考え方がリオンの口から聞けると思わなくて、当時びっくりしました。
私自身も、相手の不幸(愚痴とかね)を考えている時間があるのなら、1秒でも自分の幸せについて考えたいタイプなので、共感しました!いや、まさかあのリオンがこんなセリフをサラッと言えるなんて・・・見直したわ笑
世界観・目的意識
世界観は慣れました。物語が進んでいくと、リオンが「そういえばゲームではこういう設定だったな」と解説してくれるので、そういうものなんだと思うようにしていました。
目的ですが、リオンとしては「本編のシナリオ通りにしたい」という感じでしょうか。そのためモブの自分は平凡に暮らそうという考え。
いや、だったらわざわざ学校に行く必要なくない?学校に行けば遭遇率上がるのに・・・よくわからない。
結局キャラクターにすごい干渉してしまいます。それでいて突き放そうとしたりするので、そういう面ではうまくいっていない主人公。
また本人の意思とは関係なく、功績を挙げて昇格しています。毎回「そんなのやだー」がお決まり。
おすすめできるか?
上記の印象の変化もあり、最終的にアニメ「モブせか」は原作を知らない人でも楽しめるのかジャッジしました。
その結果・・・
「原作を知らない人でも楽しむことは可能!しかし展開は早め」
です。
詳しく解説していきます。
原作知らない人が楽しめる理由
「原作を知らなくても楽しめる」とジャッジしましたが、実際はいくつか「こういう傾向のアニメが好きな人」という制約はあります。むしろ、この傾向に当てはまらない人はおすすめはしません。
難しく考えない
アニメ内のストーリーは不完全燃焼になります。今回のアニメは1期になるからです(2期以降の情報は今のところありません)。
そのため「あれってどういうこと?」「これってどうなるの?」など解明されていないこともあります。
(気になった方は原作やコミカライズを読んでみましょう)
また私が感じたことですが、だらだらストーリーが進むので(1話完結型に近い)、最終的に何がしたかったのかよくわかりませんでした。
世界観や価値観、キャラクターもどれも中途半端で痒いところに手が届かない・・・
このように、細かいところに目がいきがちな人にはお勧めできません。
むしろあまり深く考えたりしない、サクッと観たいという人におすすめです。
1話ごとのシナリオは単純ですので、(細かいことが気にならなければ)楽しめます。
無双&スカッとする
最近なろう系で人気?の「俺TUEEE系」「ざまぁ系」に当てはまるこの作品。
そういう傾向のアニメが好きな人にはおすすめです。
とにかく主人公・リオンが強すぎる。前世の乙女ゲームの記憶をもとに無双していきます。
強いということは安心に繋がりますよね。どんなピンチでも彼ならうまくこなせるという安心感が、みていてスカッとします。
また悪役には成敗?があったり、スッキリする展開もあります。
(個人的には成敗されるために出てきた悪役感があって、かわいそうと思っていました。あとで詳しくお話しします)
男性向け
アニメを見るのに性別は関係ありませんが、このアニメは明らかに男性向けだなと思いました。特に美少女が好きな方向けです。
女子キャラが多く、ほとんどが巨乳(胸が垂れて見えるくらい巨乳が多い。もっと魅力ある巨乳の絵柄ならいいのに・・・流行りかな)。
主人公の取り巻きも美人ばかり。性格もおっとりしているけど一生懸命な子や、ツンデレなど、男性が好みそうな設定のキャラばかり。
主人公も性格が悪く、「イケメン爆破しろ」みたいな考えをもち、そんな彼が無双するので、男性には好まれそうなタイプ。
それに対して男性キャラは、ほとんど当て馬扱い。特に乙女ゲームの攻略対象5人はあからさまな酷さ。顔だけはいいみたいな感じで、基本ポンコツ。こんな魅力のない攻略対象の乙女ゲーム売れるか笑悪意しかない
キャラクターにフォーカスを当てただけでも、明らかな男性向けですので、これらが好きな人には刺さるアニメになります。むしろ上記のキャラが好みでなければみない方が良いです。
個人的な感想
これまでは原作未読者の私が分析した「モブせかは原作知らない人でも楽しめるのか」をまとめました。
次は私の個人的な感想になります。
※あくまで1個人の感想ですので、人それぞれだと思います
主題歌
OPを歌っていたのが「伊東歌詞太郎」さん。歌い手さんでした。
私、伊東歌詞太郎さん好きでしたので、嬉しかったです(多分私と同年代のファンが多い気がする)。
映像もかっこよく描かれていました。最後まで見ると、登場しているキャラもわかるようになります。
EDもポップテイストで可愛らしく、映像も可愛らしかった。
メカデザイン
ロボット好きの私としては、メカデザインも気になるところです。
全体的にかっこ良かったと思います。最近ロボットアニメ少ない傾向ですので、そういう意味では楽しめました。
ルクシオンとか巨大戦艦ですし(ロマンだー)、アロガンツのようなガタイの良いロボット(ここでは鎧って言ってましたね。アニメ「ガンソード」もヨロイだったな)でかっこいい。
攻略対象達が乗っていたロボットも、スマートなデザインでかっこ良かった。
最終決戦で出てきた黒騎士?とか暗黒感あるデザインは痺れます(黒騎士って書くと、スーパー戦隊の「ギンガマン」の黒騎士が先に出てきてしまう)。
飛行とかする際に、足に魔法陣が描かれるエフェクトも好きでした。
キャラクターデザイン
ネットで調べていると、結構批判的な意見が多かった作画。特にキャラクターの目がイマイチという意見がありました。
正直私はそこまで気になりませんでした(原作知らないから)。
ただ個人的に気になったのは、巨乳が垂れているようにしか見えないこと。
多分男性的にはそういう大きい胸が魅力的なのだと思うのですが、だったとしてももっとバランスの良い巨乳ってあると思うんです。そこがすごい気になった。
キャラクター
個人的に推しは「オリヴィア」。ヒロインの一人で、おっとりしているけど頑張り屋さんな子です。
私こういう女の子好きなので、普通に好きでした(偏見ですが、女性だとこういうタイプの女子キャラは苦手な印象があります。私はむしろ全然好き笑)。
それゆえに主人公・リオンのことを好きだったのが、最後まで許せなかった笑あいつそんな魅力あるかな・・・と。
しかし最後の告白をきっかけに、彼女が彼に惹かれる理由を心で理解することができたので(辻褄はあっているけど、心で理解できないと納得できないタイプな私)、頑張って欲しいなと思います。
ただリオンが好きというと、もう一人のヒロイン「アンジェリカ」の方がお似合いな気もする。
全体的にあまりキャラに魅力を感じなかったアニメですので、基本的にはあまり好きになれません(キャラクターの好き嫌いは、まじでアニメの印象に繋がるのでめちゃくちゃ大事)。
特に以下の3つはめっちゃ気になった・・・
①成敗されるために出てきた貴族や悪役が可哀想 → 視聴者が嫌いになることは、原作者の策略として正しいのですが、みんなで一緒に「嫌い」ってさせるためだけの存在で可哀想。悪役には悪役である理由をください
②謎の少女「マリエ」→ 本編で語られなかったので調べてみたら、リオンの妹でした。1話の時から好きではありませんでしたが、どうりで好きになれなかったのか・・・
③攻略対象5人 → 上記でも記載したとおり、顔だけのポンコツ。私が嫌なのはポンコツであることではなく、「乙女ゲームのヒーローはこんな情けないんです」という主人公をヨイショするための存在にさせたこと。また一人一人婚約者がいるっていう・・・そんな奴を乙女ゲームの攻略対象にするな笑乙女ゲームのヒーローはもっと素敵であるべき
シナリオ
これ、乙女ゲームである意味あったのでしょうか・・・
ただの異世界ではダメなのでしょうか?
乙女ゲームと書かれると、どうしても乙女ゲーム好きな人には納得できないことばかりで、ムズムズします。
また展開が早いと言いましたが、内容詰め込みすぎで、やりたいことがよくわからない。
ストーリー自体は毎回わかるんです。でもこれ結果何に繋がるの?リオンが昇格嫌だーでちゃんちゃんってこと?わからない・・・
私あまりこういう系統の(なろう系)アニメを見ないのですが、最近はこういうアニメが人気なのかな(dアニメストアで見てましたが、2022年春アニメの投票でもそこまで高くなかった。利用者はなろうとか好きな人が多いのがわかる結果だったのに・・・やはりか)。
最終決戦は盛り上がりましたが、あれも突然でしたし・・・
最後に
今回はアニメ「モブせか」は、原作を知らない人でも楽しめるのか?について、全話視聴し終えて分析しました。
結果は「原作未読者でも楽しむことはできるが、ある意味人を選ぶ作品」だということがわかりました。
2期があったとして、続きを見るかというと、私はわかりません。好みではなかったから。また自分が好みではないので、人におすすめはしないかな(このアニメとタイプが一致していたら、おすすめします)。
ただ新しくジャンルを広げることができて楽しかったので、また機会があればなろう系アニメも見てみようかなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。