【一部ネタバレあり】「アズワン/AS ONE」を見た感想とおすすめしたい理由【映画口コミ】【ロボアニメ】

アズワン感想アイキャッチ

女性ですがロボットやメカが好きな、say(せい)(@say_kiwano)です。

2025年8月22日から公開が始まった「アズワン/AS ONE」をご存知でしょうか?本作は、スクエア・エニックスが発売したアーケードゲーム「星と翼のパラドクス」を原作・コンセプトとしたオリジナルアニメ映画です。

お恥ずかしながら、私は原作であるこちらのゲームをプレイしたことがなく、完全に新参者です。

そんな私がこの映画に興味を持ったのは、たまたま映画館で広告を見たのがきっかけでした。「ロボアニメが映画化するんだ!!」とロボアニメ好きの血が沸々と湧き上がりました。

近年(もう10数年レベルだけど)はロボアニメの需要が乏しく、とても切ない時代なのです・・・そんな背景もあって、すごく嬉しかったのを覚えています。

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それに主人公役はなんと、JO1の白岩瑠姫さん!!つまり、普段ロボやSFアニメを観ない方に向けたロボアニメってこと!?めっちゃ気になる!

というわけで、早速観に行きました(見てからだいぶ経ってしまっています・・・すみません)。今回はロボアニメ映画「アズワン/AS ONE」をロボアニメ好き女子が観に行った感想を書きました。「普段ロボアニメを観てなくても楽しめるのか?」「ロボ好きは楽しめるのか?」など、本作を気になっている方やこれから行く方の参考になれば幸いです。

本記事は一部ネタバレを含みます。また、あくまで個人的な感想であり、一部解釈に誤りがある可能性があります。ご了承くださいませ。

この記事の著者
say(せい)

ピンクをこよなく愛する20代女性。漫画やイラストといった創作活動を行なっている。特撮やアニメ、ゲームといったインドアな趣味を持つ。「好きなことを好きなだけする人生」にすべくあらゆることに挑戦中。

個人的な感想

アズワンの個人的な感想

一言で言うと「ロボット・SFアニメを一般向けに落とし込んだ映画」だなと感じました。

個人的な感想
  • これぞ「メカ・ロボ・SF作品を一般向けに落とし込む」方法だ!
  • 主題歌・BGMが良い!!
  • お客さんの男女比が3:7くらいだった

これぞ「メカ・ロボ・SF作品を一般向けに落とし込む」方法だ!

私の中の密かな目標は「メカ・ロボ作品をいろんな人に楽しんでもらうこと」です。

昔(それこそ昭和くらいの時代)はロボアニメは子どもを中心に人気なアニメジャンルでした。今でも名作といわれる作品は数多くあります。

しかし、現在は新規ロボアニメは指で数えるほどしかありません(というか、もはや折る指さえあるのかというレベル)。それだけ今の若者にはウケないジャンルということです。

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余談ですが、私はどうにかして女性向け(特に少女漫画)にロボ・SF作品を展開できないかなー、とずっと悩んでいます・・・

妹の「ゆー」

若い男の子だって興味持てないのに、女性はさらに難しくない?

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それはわかってるんだけど・・・涙

そんな悩みを持つ私への一つのアンサーが、この「アズワン/AS ONE(以下、アズワン)」という作品な気がしました。

人間の心情変化にフォーカスすることで、緻密な設定がわからなくても楽しめる

ロボ・メカをはじめとしたSF作品の一番敬遠されがちな部分は、「設定が難しい」ということです。

サイエンス・フィクションというだけあり、設定が結構科学的で緻密なのが特徴。そのため、ファンタジーみたいに「なんだかわからないけど、そういうものなんだー」と受け入れるのが難しい。専門用語やカタカナ漢字が羅列するセリフは、内容を理解しようと集中しても、一向に頭に入ってこないものです。

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文字起こししてもらうと、少しはわかるようになるけれど・・・それでも苦手意識は免れません・・・

この致命的な箇所ですが、「アズワン」はある意味それをうまく解消しています。その方法が「緻密な設定がわからなくても、ストーリーラインはわかる」ということです。

細かい世界観がわからなくても、主人公たちのやりたいことがわかる。重要なのは、地球に暮らすヨウと異世界「巡星」に暮らすラコが出会って、共に成長すること。つまり、二人(または今回の敵)の心情変化がキーなのです。

本当は世界観や設定が理解できれば、もっと面白いのですが、それがわからなくても楽しめる。そういう作品になっておりました。

キャラと一緒に世界を覗くということ

ヨウは地球に暮らす現代人であり、ラコたちの世界「巡星」のことは知りません。そのため、少しずつ「巡星」のことを知ることができます。これ、私たち視聴者と同じ状況だと思いませんか?

私たちも「巡星」については知りません(原作ファンを除く)。そのため、ヨウと同じように右も左もわからないことだらけ。その状態から、少しずつ情報が開示され、映画が終わる頃には「巡星」について少しだけ詳しくなります。

このように「主人公が何も知らない状態」から「少しだけわかった気がする状態」を共有することで、物語の理解を手助けすることができるのです。

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結構使われがちな手法ですね!

キャラは好みが分かれそう

正反対の性格を持つヨウとラコ。物語を楽しく見ることができるかは、彼らに共感や応援ができるかどうかです。ただ、個人的には好みが分かれそうだなーという印象でした。

個人的に、ヨウになかなか感情移入できなくて、初めは大変でした。若さゆえの葛藤といってしまえばそれまでなのですが、外から見ればどう見ても家族や友人に恵まれているようにしか見えない・・・殻にこもって「誰もわかってくれない」と思い込んでるのは、彼の被害妄想にしか思えませんでした。

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say(せい)

もう少し心理描写を表現してほしかったなーと思いました。

なんとか足りない部分を補って「そういう子なんだよね」と思うことにしました。

対するラコはとても素直で懸命な子だったので、好印象で応援したくなりました。

幼い頃に母親を亡くした彼女でしたが、父ルロワの励ましもあって「今度は自分が誰かを助けたい」という気持ちが芽生えたという思考は自然でしたし、その影響からあのように明るい性格だというのも納得できました。

ちなみに彼女の父親のセリフには「信じてくれることを待つのではなく、まずは自分から信じること」というものがありました。今回のキーワードになっており、私もすごく好きな言葉になりました。本当に大切なんですよ、大人になると気づきます。

我々はこのように受け取りましたが、人によっては全く違う印象を受けるかもしれません。そのため、キャラに関しては好みが分かれそうです。

ただ個人的には、恋愛がなかったのはありがたかったです。二人の恋愛はちょっと想像がつかないので、あくまで「仲間」という形にとどまってくれてよかったです。

デザインがオシャレ

普段アニメを見ない人でも見やすいように、画風がモザイク調なところがオシャレでした。

どこか絵本の挿絵のような背景と、アニメ初心者でも違和感を感じにくい高い技術で制作されたキャラクターたち。キャラデザもアニメにありがちな奇抜なものではなく、比較的万人受けしやすいものになっていたのがよかったです。

ロボ・SF好きにはやや物足りない

全体的には面白かったのですが、どうしてもロボアニメ好きとしてはやや不完全燃焼という感じがしました。

ロボバトルや敵国同士の闘いなど、ロボアニメ好きが好む展開が少なく、イマイチ盛り上がりに欠けるという印象だったからです。

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一応ロボ戦はありますし、かっこよくて魅力的でした。あと、宇宙基地や発進するシーンとかはあります!(この良さ、伝われー)

ダブル主人公の成長にフォーカスするあまり、両国の出番は少ない(しかも、ほぼ画を使い回してるという・・・)尺の問題と新規ファン獲得のための配慮が、かえってロボアニメ好きの楽しみを減少させてしまったかなという印象でした。

なお、私はお恥ずかしながら原作を存じておりませんので、原作ファンはどう感じたのかはわかりません。少しでも原作ファンがニヤッとする展開があれば良いのかな、と思っています。

主題歌・BGMが良い!!

主題歌キラーの私。今回も広告で聞いた主題歌が耳残りして気になっていたので、楽しみにしておりました。改めて聞くと、めっちゃいい感じでした。歌うますぎ!!

「JO1」公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@JO1_official)より公開中

ロック調の迫力ある主題歌が良い

イントロからすでにかっこいい!!

ロック調のアップテンポな楽曲が、映画の高揚感をさらに引き立てました。

加えて、サビのメロディ(本編で最初にヨウが口ずさみます)が覚えやすく、とても耳に残るフレーズとなっておりました。

近年は令和のポップスというか、テクノ調寄りのおしゃれで難解な楽曲が流行っている中で、ストレートで迫力のあるバンド系の主題歌という点が、彼のファンだけでなく、ロボアニメ好きにも受け入れやすいのかなと思います。

白岩さんが作詞作曲をする=ヨウの歌になる

こちらの曲、なんとヨウを演じた白岩さんが作詞作曲を手掛けています

世界観を彼なりに解釈し、それを音楽として表現するという、凄腕のアイドルすぎませんか?すごい驚きましたし、尊敬しました。

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作中でもヨウ自身が作詞作曲をしているということもあって、マッチング度が高すぎて、ロマンを感じました!

作中ではアカペラ寄りのアレンジで良い

こちらの曲は主題歌として起用されています。

アレンジ違いで作中でも歌っていますが、こちらはバラードよりでしっとりした仕上がり。アカペラ要素が強かったからかもしれません。

作中では少し歌い方が違うのは、白岩さんが「ヨウならこう歌うと思う」と意識して、あえて変えているのだそう(映画のパンフレットより)。そこまで考えて歌っているとは!プロってすごいですよね!

BGMが良い

主題歌もとても良いのですが、BGMも良かったです。

特に「エア・リアル」との最終決戦シーンの、オペラを含んだ壮大なBGMが好きでした。絶望感を存分に体感できる壮大なコーラスとオーケストラ、そこから伝わるゾワゾワ感とワクワク感の調和が、本編とマッチング!思わず鳥肌が立ちました。

お客さんの男女比が2:8くらいだった

いくら話題のアイドルが演じているとはいえ、所詮はロボアニメ。正直男性の方が多いのかなと予想していた私は、劇場で目を丸くしました。私が見に行った日の男女比は、まさかの2:8と女性が圧倒的だったのです。

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say(せい)

某漫画原作のロボアニメの映画を見に行った時は、私たち以外ほぼ男性だったのに・・・やっぱりキャストパワーってすごいなぁ!

ロボアニメでこの比率は、なかなかお目にかかれない気がします。おそらく、比較的女性人気の高いロボアニメの一つ「コードギアス」シリーズでも、男性の割合が高いと思います。

女性のほとんどはキャストのファン?

私のようにロボアニメ好きの女性も一定数いるとは思うのですが、おそらく大半はキャスト目当てなのかな?と思いました(それ自体は全然ありだと思っています!むしろどんどん見てほしい!)。結構二人以上の友達同士でお越しになられた方が多い印象を受けました。

ヨウ役の白岩さんファンもといJO1ファンや、ルロワ役の丸山さんファンもといSUPER EIGTHファンが劇場に足を運んでくれたのです。中には普段アニメ自体見ないような方も、彼らの活躍や歌を聞きに来たのかなと思ったら、なんだか嬉しくなってしまいました

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頼む!この勢いで、ロボットやSFにも興味を持ってくれ!

妹の「ゆー」

流石にそれはきついんじゃないかな・・・?

男性は原作ファンかロボアニメ好きか

対する男性は一人でお越しになられる方が多かったです。

男性の場合、原作ファンかロボアニメ好きが判断がつかないのでわかりませんが、とにかく男性も何人かいらっしゃいました。

ある意味、話題提供のためにアイドルを起用しているという点で敬遠されそうな気がしていましたが、その心配はなさそうですね。

夢の共演で新しい出会いが生まれる

近年ネットは、ゲスト声優に関する賛否の嵐。反対派の気持ちもわかりますが、私個人としては「あり」なのです。むしろ、普段アテレコをしない方が加わるだけで、新しい何かが生まれるのではないかと考えています。

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say(せい)

同じ声優ばかり起用されると、マンネリ化が否めないのです・・・(それはそれで好きだけどね)

実際、先ほどご紹介した主題歌「巡星」の公式YouTubeでは、コメント欄に原作ファンからの感謝コメントと、それに対し感謝をするJO1ファンが何件も見られました。こういうお互いの良いところを尊重して、受け入れ、感謝し合う瞬間にいつも感動を覚えます

これをきっかけにどんどんいろんな興味が芽生えたり、新しい組み合わせにトライしてみたり(制作側)、いろんなポジティブ要素が生まれるきっかけになったら良いなと考えています。

本作もそんな「きっかけ」の塊であったことは確かなのです。

こんな人におすすめしたい

アズワンをこんな人におすすめしたい

実際に「アズワン」を見た上で、「こんな人におすすめ」「こんな人にはおすすめできないかも」ということをまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

こんな人におすすめ
  • 普段ロボ・SF作品(特にアニメ)を観ない
  • ロボ・SF作品(特にアニメ)に抵抗がない
  • ロック調の歌が好き
  • 王道成長展開が好き

難しくて理解できないことがあっても、おおまかな内容は理解できるようなシナリオになっています。また主題歌が歌詞含めて素敵ですので、ぜひ劇場にて大音量で聴いてみてください。

こんな人におすすめ
  • ロボバトルや緻密な戦略・戦術シーンが見たい
  • 恋愛シーンが見たい
  • 王道SF展開以外を受け入れられない
  • 難しい話が好き

細かい世界観の設定やロボバトルはもちろんありますが、どこか単純明快な展開が続くため、肥えたアニメオタクはもしかしたら「物足りない!!」という気持ちになる可能性があります。

でも王道展開が好きであれば、これはこれで楽しめると思います!

最後に

今回は、ロボアニメ好き女子が「アズワン」と見た感想とおすすめ理由をまとめました。

ロボ・SF作品として捉えるというよりは、純粋に少年少女の成長作品として面白かったです。ロボデザインも魅力的で、発進シーン・バトルシーンも個人的には好みでした。

女性を中心にロボ・SF作品の魅力を伝えたいと考えている私にとっても、本作はとても参考になりました。こういうことを意識すれば、女の子もロボ作品(という認識ではなくても)に触れてくれるということがわかりました。(あわよくばロボにも興味を持ってもらいたいです。そんな作品を私は作りたい)

かなり個人的な感情が入った感想ですので、あくまで参考程度に読んでいただけたら幸いです。

最後まで閲覧してくださり、ありがとうございます♡