色彩検定合格者がオススメする独学で合格する勉強方法【2・3級】

2022年8月29日

こんにちは、say(せい)です。

私はイラストを描くことが好きなので、せっかくならイラストに役に立ちそうな資格が欲しいなと思い、色彩検定2級と3級を独学で取得しました。

色彩検定3級は2020年の11月に、2級は2021年の6月に受験し、合格しています。

今回は、色彩について知識0だった私が、独学で2級・3級に合格した方法をお伝えします。

※この方法には個人差があります。必ずしも合格するという保証はありません。また、あくまで資格合格方法のため、この資格をどう生かすのかは皆さん次第です。

色彩検定とは

色彩検定とは、文部科学省後援の「色に関する資格」です。色というと直感やセンスというイメージがあると思いますが、世の中のデザインに用いられる配色には「こうすると良い」という理論・法則を用いて作成されていることがあるのをご存知でしょうか?例えば、目立つアイコンを作成する際、マークを黄色にする場合、背景色は白よりも黒にすると良いのですが、これも全て色彩に関する配色の理論・法則に基づいています。色に組み合わせによってどう見えるのか・感じるのかなど、そういうことを直感やセンスではなく、配色の理論・法則に基づいた方が、根拠があり説得力もありますよね。こういうことから、色彩検定はデザイナーだけではなく、学生や一般社会人にもオススメできる資格になります。

勉強方法

私は、2級・3級を取得しています。勉強時間や方法が若干異なるところもありますが、基本的な勉強方法は同じになります。まずは、共通しているところを説明します。

共通していること

必要な参考書は以下の3つになります。

公式テキスト

問題集

公式過去問題集

特に特別なものを用意する必要はありません(というか、むしろ普通すぎますね…)。

勉強方法の流れは以下の通りになります。

1. 公式テキストを流し読み

2. 問題集を解く

3. 過去問を解く

また特別なことではないですね…そうなんです!

色彩検定を独学で合格するには、魔法のような方法を探すよりも、基本的な勉強方法が一番効率的で、かつ効果があるのです。では、一つずつ具体的に見ていきましょう。

公式テキストを流し読み

テキストは流し読みしてください。しっかり読もうとすると、ドツボにハマります。

理由は、理解しようとして読むと疲れるし、難しいと感じて挫折してしまうからです。特に、テキストの1章は色というよりも、色の見え方という、科学的な?ところから始まるため、挫折しやすいと思います(幸い、私は理系だったので「こんなこともやったなー」という感じでした…参考にならずすみません)。初めのうちは、「なるほど〜」と一つ一つ読んでも問題ないかもしれませんが、それが続くとどうなりますか?

「また知らないこと増えた…あれ?〇〇ってなんだっけ?」

という感じで先に進めなくなります。そうすると、そのうち「色彩検定って難しいのかも」と思い始めて、挫折してしまうかもしれません。

そもそもただ文字を読むだけ、という行為自体が眠くなりますしね。余計挫折します。

そのためテキストは流し読みする程度で良いのです。「あんなこと書いてあった…かも?」程度の理解で問題ありません。これから問題集を繰り返せば、自然と覚えることができます。

あくまでテキストは、「色彩検定の内容確認」と「問題集・過去問を理解するための辞書」だと思ってください。またテキストは最新版を買うようにしましょう。2022年1月現在の情報では、2020年に改訂をしているので、「中古でいいやー」と思って改訂前のものを買ってしまうと、改定後の範囲外になっていたり(その逆も然り)して、本番に「こんな内容知らない」となってしまいかねませんので、注意しましょう。

問題集を解く

テキストを流し読みした後は、問題集を解いてみましょう。初めは全然解けないと思います。全然問題ありません。大切なのは「今すぐ理解する」ことではなく「繰り返し解いて、体に覚えさせる」ことです。

そのため問題集は1つだけにしましょう。よく「ここにない問題があるかもしれない!」「もっとたくさんの問題を解かなきゃ!」という理由から、あらゆる問題集を買って解こうとする人がいます。そういう方法は、問題への理解が中途半端になり、結果的に何も覚えていないという状態になってしまうかもしれません。それよりも、1つの問題集を問題・解答を覚えてしまうくらい繰り返す方が遥かに効果があります。実際に私は、この方法で、色彩検定2級・3級どちらも合格することができました。

ちなみに私の使っていた問題集は、新星出版社の「改訂版わかる!色彩検定2・3級問題集」です。これ一冊で2級・3級どちらも勉強することができます。片面に説明と、片面に問題がついているためわかりやすいです。他の問題集もいくつかパラパラと見てみましたが、一番問題量もありそうだったので、「問題量が足りない」という感じにはなりませんでした。

先ほどから何度も言っている「繰り返し解いて、体に覚えさせる」についてですが、私の場合3周くらいして理解できました。周回するのって大変だと思いますが、問題数自体はそこまで多くない(高校数学の問題集なんかと比較すれば、米粒くらいしかないです笑 私の場合、前日の追い込みとして、1日で1周しました。それくらいの問題数です)ため、意外とできると思います。1日でやろうとしないで、「今日は5ページやろう」「この章までやろう」「20分だけ勉強する」と目標を決めて進めましょう。

過去問を解く

問題集をある程度周回して、内容を理解できてきたら「公式過去問」を解いてみましょう。中学高校受験と同じで、敵を知らなければ勝つこともできません。どういう形式で問題が出題されて、点数配分(合格点を越えるには、この問題は正解しなければいけないな〜など考えます)や理解度を確認します。

ここでも大切なのは「初めから合格点を取ろうとしない」ことです。できないと落ち込むので、できなくても「私はまだここを理解できていなかったのか!」と、苦手な分野を見つけることができたとポジティブになりましょう。間違えたところや、直感で選んだ回答は、公式テキストや解説を読んで理解すれば良いのです。私自身も、2級の過去問を解いた時(これは改訂前だったということもあり)、合格点届かなくて「まじか〜」ってなりました。ただそこで間違えた問題を理解して、後日再挑戦したら合格点超えたので、あまり落ち込まないようにしてください。

ちなみに公式過去問ですが、公式テキスト同様最新版を購入しましょう。理由は公式テキスト同様、改訂しているからです。実際に2級は改訂前(2019年)と改定後(2020年)で内容が結構違います。また、高校受験の過去問と違って、問題量は前期と後期の2つしか入っていないため、少ない気もしますが、私はそれでも合格できたので大丈夫です。

3級編

勉強時間

色彩検定3級の勉強時間は、1,2ヶ月ほどあれば問題ないと思います。私自身は11月に試験だったのですが、気持ち早めに始めていますが(7月、8月くらい)、まぁだらだらやっていたので、期間としては少し長めでした。ただ、短期間で集中して勉強するのであれば、上記の通り1,2ヶ月あれば良いと思います。

ここが難しかった

色彩検定3級は正直そこまで難しくないと思います。ただ、初めてみる単語(色相、トーン、PCCSなど)も多く、覚えるのは大変でした。特に私は暗記が苦手なので、何度も解いて脳内に焼き付けていました。慣用色名は2級と比べてわかりやすいため、なんとか覚えました。

2級編

勉強時間

色彩検定2級の勉強時間は、2,3ヶ月ほどあれば問題ないと思います。私の場合、3級で色彩検定の勉強方法がわかったので、体感的にはそこまで時間かからなかった記憶がありますが、余裕を持って勉強はした方が良いと思います。

ここが難しかった

まずは3級の内容と混乱することが大きかったです。特にマンセル表色系とPCCSがごちゃごちゃになりました笑 そのうち違うものだと気づいたレベルです。配色技法もより具体的になって、3級よりも難しくなります。また用色名は覚えにくいものが増えます。ただこれは、名前の由来まで確認したり、名前ごとにオリジナルキャラクターを作ったりして対策しました(本番、自分が考えたキャラクターを思い出して吹き出しそうになりました笑)

2級と3級はどっちを受けるべき?

勉強方法とは少し異なりますが、やはり気になるのは「独学で勉強するのであれば、どちらを受けるべきか」だと思います。受験料意外と高いですからね、両方受けると結構高くつきます。私はどちらも受けたため、どういう人にオススメか考えてみました。

とりあえず色の知識が欲しいのならば「色彩検定3級」

色彩検定3級だけでも、ある程度の色の知識が身に付きます。私も3級合格してから、ポスターや広告の見方が変わりました。イラストを描くときも、トーンを揃えてみたりできるようになり、イラストが上達した気がします。あとは単純に色彩検定の勉強が面白いなと思えたのも、3級を受けたからだと思います。いきなり2級を受けていたら、挫折していたでしょう。資格を持っているだけで自信になりますので、「どっちを受けようかな?」と迷っている方は、3級を受験してみましょう。

実用的な知識が欲しいのならば「色彩検定2級」

1級は受けていないのでわかりませんが、2級だけでもそれなりに実用的な知識は身に付きます。特に色の組み合わせなど、理論・法則が具体的に出てくるのは2級です。これを勉強してからは、イラストの配色にも役に立ちました。特に「影の入れ方」など、今までは単純に彩度を低くしていただけでしたが、ナチュラルハーモニーを利用することで、色塗りが上達しました。あとは素直に「3級よりも2級の方がすごくない?」と思う方は、こちらを受験しても良いかもしれません。

余力があるのなら、両方受けてみよう

私自身も両方受けました。併願ではなく、一つずつです。理由としては「どういう感じの検定なのか知りたかった」からです。一度も受けたことのない資格を受けるのって、不安ではないでしょうか?そういう意味でも、まずは3級で、どのような感じなのか経験する方が良いと思います。2級だけ受けるぞ!という人も、結局は3級の知識が出てきますので、両方勉強することになります。だったら順番に受けてしまっても良いのかなと考えました。

最後に

今回は「色彩検定2級3級を独学で合格するための勉強法」をお伝えしました。まとめとしては以下の通りです。

・必要な教材は「公式テキスト」「問題集」「公式過去問題集」である

・勉強の流れは、テキストを流し読み→問題集を周回→過去問を解く

・「とにかく繰り返すこと」が大事

あと一番大切なことは「楽しく勉強すること」だと思います。周りに強制されたり、嫌々勉強することほど辛いことはありません。私自身も色彩検定は「自分が興味を持って取ろうとした資格」ということもあり、自分のペースで楽しく勉強することができました。また「モチベを上げること」も大切です。私の場合は、「色について語れたらかっこいいだろうな」「イラスト上達しそう」という妄想をしながら、モチベーションを上げて勉強しました。どちらも心の部分になりますので、なかなか難しいとは思いますが、ぜひ意識してみてください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。