【BL】目覚めたら彼氏にそっくりなアンドロイドがいたら…⁉【500年の営み】
自分の中で、謎のSFブームが来てる気がします、ゆーです。
普段から【面白い】と思える作品に出会うべく、ジャンルに縛られずに作品を読むようにしています。時に、あまり見かけないジャンルに出会えると、嬉しい気持ちになります。
今回はそんな珍しいジャンルを紹介したいと思います。それは「【BL】×【SF】」です。
これが意外と少ないんですよね。そもそもBLは、最近ではかなり大きくなったジャンルとはいえ、まだまだこれからというコンテンツだと思います。そのためSFとなると、もっと少ない印象を受けます。
(私の中で、BL特有の性癖チックな設定はSFという認識ではないからです。)
そんな、まだまだ珍しい組み合わせの漫画【500年の営み】を紹介いたします。
本記事には、一部ネタバレを含む可能性がございます。知識0で読みたい方はご注意ください。
【500年の営み】とは
500年の営み
【500年の営み】とは、作者・山中ヒコ先生が描く、近未来が舞台のBL漫画です。一巻完結なので、手に取りやすいのもオススメしたいポイントになります。
あらすじは以下の通り。
恋人・太田光が亡くなった事にショックを受けた山田寅雄は、それを機に自殺を図る。未遂に終わった寅雄が目覚めると、目の前には光にそっくりなアンドロイド・ヒカルが立っていた。
実は、寅雄は250年もの間【冷凍保存】されており、目覚めたのは近未来の世界だったのだ。
彼のために造られたヒカルはポンコツで、恋人・光に似ても似つかない存在であったが、次第に彼のひたむきさに寅雄は心を開いていくが…。
250年もの間【冷凍保存】されていた寅雄が、恋人に似た姿をしたアンドロイド・ヒカルに戸惑いながらも近未来で生きていく物語です。
あらすじだけだと、タイトルの【500年】がわからないですよね?大丈夫です、読めば意味が分かります!そして、その頃には複雑な気持ちになっていること間違いなしです😢
見どころ
SFチックなBL漫画【500年の営み】の見どころは以下の通りです。
- 【近未来】【アンドロイド】こんなBLが読みたかった
- ただただ2人の幸せを願いたくなる
- 「一人は淋しい」という感情
【近未来】【アンドロイド】こんなBLが読みたかった
様々なジャンルを読む私ですが、特にSFとファンタジーが好きです。だからこそ、SFのBLを読んでみたかったんですよね。ですが、あまりBLにSFと謳っている作品って少ない気がします。ファンタジー要素を含む作品はSFと言えないし、近未来が舞台でもどこか現実世界に似てたり…。
中でも、本作は「ちゃんとSFしてる設定」が多いのが魅力です。
例えば舞台が近未来とのことですが、突拍子もない設定を取り入れるものではなく、本当に近未来なのです。本作では【エアカー】と言われる移動手段が存在します。その名の通り、地面から浮いた乗り物です(ちなみに、ヒカルは上手く操作できません(笑))。
また、「アンドロイドとの共存が当たり前の社会になっている」点も面白いといえます。ただ、アンドロイドに乗っ取られたわけではなく、あくまで【使用する】人間側の倫理観が求められ、承知の上で共存しているのです。
上記の内容は、寅雄が眠っていた間の歴史を学ぶために講習を受けていた時に言及されています。このあたりは、人間がちゃんと自我をもって生きている証拠ですね!よかったです…。
ですが、だからこそ寅雄とヒカルの関係が難しくなるという側面にも直結するわけですが…。
ただただ2人の幸せを願いたくなる
元々ヒカルは、恋人・光を模して造られた存在ですが、完璧青年だった光と比べて、ポンコツなヒカルは似ても似つかない。そのため、最初はヒカルの存在に否定的だった寅雄ですが、次第に心を開いていきます👏
実際、ヒカルはアンドロイドということもあり、何でもストレートなんですよね!光のコピーなので、寅雄に愛を囁いたり、彼を心から心配し守ってくれる。でも人間らしい感情ではなく、あくまでプログラムされたものですが…。しかし、それがいつしか自我を持っていく…。光の代わりではなく、ヒカルとして寅雄を愛していくようになります。
だからこそ、2人がお互いを好きだと思えたシーンには感動があります。なのに、どうして幸せになろうとした2人の前には悲劇が…。ネタバレなので言えませんが、これが最高に切ないです😢
BLとしては最高のシチュエーションですが、現実問題「人間との共存を目的としたアンドロイド」としては、ヒカルは少し危険な分子かもしれませんね…。自我が愛に全振りしてるからいいものの、可笑しな方向に進んでしまったら、そのうちシンギュラリティに到達して世界征服しようとしたり…いや、ヒカルは絶対ないですね(笑)
「一人は淋しい」という感情
ストーリーには直接関係ないかもしれませんが、本作を読んでいると感じるのが「一人は淋しい」という感情です。
そもそもどうしてアンドロイド・ヒカルが用意されていたかと言えば、これは親の計らいなんですよね。250年前の世界では、親は光との交際を良く思っていませんでした。ですが寅雄が未来で目が覚めた時に、恋人と再会できるよう全財産をつぎ込んで準備してもらったのです。そんな親子愛を感じさせてくれるシーンに、私はウルっときてしましました😢
確かに親からすれば、いつ目覚めるかわからない子どもに、ずっと寄り添えることもできませんよね。でも未来で子どもが淋しい思いもしてほしくない。それなら子どもが愛していた相手と幸せになって欲しかったんじゃないでしょうか?
他にも、本編には老夫婦が出てきます。彼らは長期治療が必要な男性と共に生きるために、2人でスリープ状態に入りました。その際に、「一人で歳を取るのは淋しい」からと女性が言及していました。
少なくとも、寅雄はこの老夫婦の言葉に感銘を受けたように思えます。
居なくなった(かもわからない)ヒカルを探しに、一人旅に出る寅雄はきっと「この未来で一人で生きていくのは淋しい」と思ったからに違いありません。
こんな人にオススメ
物珍しいBLが読みたい人やSF好きにはオススメです。
- 「【BL】×【SF】」に興味がある
- 「【コールドスリープ】した主人公が未来に生きる」という設定が気になる
- アンドロイドとの恋愛に抵抗がない
- 切ない展開を好む
- 1巻完結の漫画を探している
- 男性同士の恋愛が苦手
- 人間同士の恋愛じゃないと盛り上がらない
- 「メインの相手」以外との恋愛描写が苦手
- 明るく爽やかなストーリーを好む
メインはアンドロイドとの恋愛になるので、人外との恋愛に抵抗がある人が難しいかもしれません。
また、ヒカルが恋人・光の代わりという設定のため、固定カップルが好きな人は苦手な描写になるかも…。ですが決して略奪とか浮気というわけではないので、ご安心ください。
500年の営み
最後に
いかがでしょうか。
本作を読んで、私は尾瀬に行きたい気持ちになりました✨
少しでも気になった方は、是非読んでみて下さい。
では、次の記事でお会いしましょう!
さいならー👋